ささやかな悦び
3日月曜日朝から、休む間もなく検査が続いた。いや、未だ続いているのだが。
初日こそ簡単な検査ばかりだったので、どうって事無かったんだけど、心臓カテーテル検査や24時間心電図ホルダーを装着されたりと、月、水、金の入浴日に入れない日々だった。
さて今日はわが男性の入浴日。
検査は⁈と見ると、
9時からは心臓超音波検査。15時からはエルゴ負荷心電図検査、そして夕方今回の検査の中間報告がある予定だ。
さて、風呂だ。今日こそ何とか入浴したいものだ。
超音波検査小1時間はかかるだろうから、予約表の11時の覧に381号室ヒロセと記入した。直後、検査に呼ばれるも看護師に「廣瀬さん、もう慣れているから一人で大丈夫よネ。」と突き放される。「エーッと......」と口籠っていると件の看護師、畳み掛けるように「2階の採血する所の奥だから!大丈夫、分かる、分かる!」とにべも無い。
果たして行ってみると検査室は直ぐ分かった。
来訪の旨伝えていると、3年前の5月に初めて阪大に入院した時からの馴染みの技師さんが来てくれて、「廣瀬さん、午後はうちの方の検査ですから、お待ちしてます。」と声を掛けてくれる。
矢張り男前だけあって、覚えがめでたい(実は、北海道から来たんだよ、と言うと、エーッ、ホント?と驚かれるので、そんな事だ!)
今回の超音波検査、案外スムーズに終わり、部屋に戻ると未だ9:30になっていない。
オット、入浴開始は10:00〜だ。予約状況を確認...、オッ、10:00〜と10:30〜といずれも予約無し。直ぐ自分の予約を10:00〜に変更。
風呂は結構広く、湯船はステンレス製で色気は無いが半畳ほどで深くゆっくり浸かれる。なんと言っても一番風呂だ。北海道では家族やウエモンズハートのスタッフも忙しくしていて、申し訳ない気持ちでいっぱいだが、阪大に入院して初めて漸くリラックスした気分だ。
気持ち良かった〜!
店では売らない
今朝の日経新聞から。
2面の中央下段にコラム「迫真」の売り方改革「d2C」
デパートの丸井の新宿の店舗1階に「データを売り店」がオープンしたとある。
2008年の金融危機で赤字に転落。
業態の見直しに着手するためお客の声を拾うと「お店が服ばかりで気持ち悪い」「接客が怖い」と、それまでの百貨店方式の限界が見えて来たそうだ。その今井が2017年に誘致したカナダのフィットネスアパレル、ルルレモン・アスレティカを誘致。その創業者の教えは「我々にはひとつだけやってはいけないことがある。それはお店で売ろうとする事だ。」と言うものだ。
このコラムを読んで、はたと膝を打ったらイタいので(オット、年を取るとこんなところにも気をつけなくちゃいけないのだ⁈)軽く膝を撫でた。
我が広瀬牧場が1991年に始めた牧場見学や酪農体験が当にそれにあたるのだ。「店ではものを売るな」とたったこの一言だ。
1970〜80年代は酪農の規模拡大に消費が追いつかず、牛乳の特売や乳製品の余剰から乳価の低迷から値下げが相次ぎ、酪農を廃業する者も数多だった。売るスーパー側も消費者ニーズと声高に叫び、我々生産者から買い叩いてもいた。
スーパーやデパートの商品棚のうらのストーリーを消費者に知ってもらう、価値に気付いてもらうのが先決っはないかと思いたち、1991年「見るキングパーラー」を建て、直接消費者を招き(実態は一度も見学の宣伝はした事も無く、口コミで数年後には年間3,000人以上が訪れるようになっていた。つまり同時並行的に消費者もじぶんの血となり肉となる食料の生産地情報を知りたがってもいたのだ!)牛乳ができるまでと言った酪農理解を深めてきた。
結果消費者に促されるように1999年ウエモンズハートをオープンさせる。それと同時に中酪の主導で酪農教育ファームなるものが推進され始め、これまた1999年には地域交流牧場全国連絡会がスタートしたのだ。
今や牛乳、乳製品は日本人に取って必要不可欠な食料となっている。
30年間自分の人生の大半を費やして行なってきた、消費者理解。
「物は売っちゃいけない!」こんな簡単な一言ですんでしまうのだ。
いずれにせよ、我が人生肯定されたようで、嬉しいニュースだった。
さて今日の日程は、8:30点滴開始。9:00PCR検査、13:00カテーテル検査だ。
阪大病院
コロナの影響で5月から延期になっていた検査入院が阪大病院で始まった。
今日は採血、胸部レントゲン、心電図検査が有った。
今回血液検査の中に遺伝子検査が取り入れられ、その説明が若い医師からあった。
丁度3年前の7月28日だったか、治験6例目としてハートシート移植手術を受けた。私の1か月前に同様の手術を受けた山形の男性は、一年後の検査の結果予後が思わしくなく、心臓移植待ちになっている。つまり失敗例だ。私を含めた6例の治験者のうち、山形の男性の他に2例目の方も心臓移植待ちとなっているらしい。その他両膝から筋芽細胞を採取し培養するも、その培養自体が上手く行かなくて、治験を断念した方もいたようだ。
例えば癌になりやすいとか、糖尿病になり易いなど遺伝子的なファミリー病が有るが、私のように実質効果が高い患者と2例目や山形の方との遺伝子の違いを調べるらしい。
手術前に遺伝子検査で、ハートシート移植の可否が判断できるようになるらしい。
そしてこの検査で得られた情報を学会などに発表したり、様々な検査などに応用しても構わないかと言うものだ。勿論諾である。
明日は心カテーテルだ。右頸動脈と右手首からと2本挿入し、心室内の圧力などを調べるらしい。
昨年4月の検査入院は、他人からの心無い言葉の暴力がストレスとなり、過呼吸や冷や汗、吐血したりした直後だったので、一つひとつ手探りの検査でほぼ1か月の検査入院だったが、今回は同様の問題は無く、阪大病院側も矢継ぎ早に検査が続くようだ。
予定は10日〜2週間くらいだ。
因みに明日のカテーテルに先立って、PCR検査も受ける事になっている。
慌ただしい!
訃報
少し前、台湾の李登輝元総統の死去が緊急速報で流れていた。97才だそうだ。
日本の良き時代を知る数少ない外国の指導者だ。
2003年出版のこの本は今の日本人が失ったやまとこころを取り戻して欲しいと願って書いた本だ。
また台湾と日本の絆をより強くと願って2016年94才の時には日台IoT同盟と言った次の様な対談形式の本も出している。
我々戦後生まれの者は、戦前戦中への贖罪意識を植えつける教育(自虐史観)を受けて大人になった。日本人は隣国や中国、東南アジアに多大なる迷惑をかけた。小市民である我々も国家の罪を背負って生き続ける事が宿命だとも思っていた。
しかし植民地だった台湾の総統が、日本人である事に誇りを持てと、日本にこれ程エールを送ってくれている事をしり、自虐史観が薄れていくのを感じた。
変わって2004年発刊の日韓併合-韓民族を救った日帝36年の歴史(韓国人が書いた)
この様なジャンルの本を何冊も読み漁り、うすかわを剥ぐように自分の中の自虐史観が薄れていった。
李登輝元総統の死去は、日中間又は日韓間の防波堤が決壊した様な喪失感を感じる。
ご冥福を祈るばかりだ。
全国デビュー
またまた、業界紙日本農業新聞掲載について
かの業界紙最終面の「一村逸品」のコーナーに、「和のおもてなし」こいシリーズが紹介された。
業界紙とは言え全国版なので、反響は如何程か。
取材して頂いたS田さん、お世話になり有り難うございました。
皆様、スタッフ一同ご注文、お待ちしております。