真骨頂
今日、酪農教育ファーム事務局(中酪)から、機関紙「感動通信」54号が届いた。
今回は、「事前学習100日"知りたい"が最高潮で酪農体験」と題して、昨年7月12日我広瀬牧場を修学旅行で訪れた、札幌市立北園小学校の事例を紹介している。この小学校の栗原靖校長先生の明確な指導方針の下、入念な事前学習で子供たちの知りたい!を最高潮に持ってきての広瀬牧場訪問だった。
勉強の成果を一冊のしおりにまとめての修学旅行だ。広瀬牧場についても、歴史や牛の飼養頭数、更にはウエモンズハートなど詳細に記されている。これだもの私の「牧場の仕事」「牛のからだ」「牛の一生」の話や「十勝農業の底力」などの説明を細大漏らさず聞きとめようと集中している。質問も多岐に亘り私をタジタジさせる。
自分自身この活動を始めて約30年近く続けている。
牛乳の価値を分かって貰うには、食料品としての"牛乳"が商品棚に並ぶまでのストーリーを生産者自ら伝えるのが一番と思い、始めた。その活動を始めて数年を経ずして2000人以上の児童、生徒、消費者達が訪れるようになり驚きの連続だった。自身伝える方法も我流ながらもマスターした。
その後ゆとり教育と言う名のもと、総合的な学習の時間が導入される。これは教育者の力量が試されるていたのだ。また、平成16年に食育基本法が制定されると、雨後のたけのこの様に(今思うとその頃から)我々に丸投げの先生が増えてきたせいか、随分と手応えが無くなってきたようだ。
何故そう思うのか?自分は30年前にこの活動を始めたのだが、農業現場の苦衷を訴える場にはしたくなかった。そこで体験の予約を受けた時、「広瀬牧場ではどんな所を見たいんですか?先生は子供達に何を知り、感じて欲しいんですか?」など、事前の打ち合わせをきちんとする様にしているが、「経験豊富な廣瀬さんにお任せします。」と言う先生のクラスほどじっと聞いてはくれない。気もそぞろなので有る。私のような教育の素人としては全くもってやりにくいのだ。
そんな中5〜6年前札幌八軒小学校が修学旅行に初めて足を運んでくれた。その時の校長が現在の北園小学校校長栗原靖先生だった。人間いくつになっても褒められると嬉しいものだが、栗原先生は初めてお会いした時から私の教育ファーム活動を評価してくれていたようだ。
話しは結論めくが、拡張型心筋症を患い農作業もままならなくなった今、家内は「あなたは今後、体に負荷をかけなくても出来る教育ファーム活動を頑張って!クチで稼ぎなさい。」と言ってくれる。栗原先生には私自身の伝えたいに応えて、修学旅行の目的を持たせるため、帯広の観光大使を目指してなどといまふうに子供達を鼓舞しておとずれてくれる。楽しい老後を過ごせそうだ。かんらかんら⁈
改元
中村草田男の作品に、「降る雪や 明治は遠く なりにけり」と言う俳句があった。齢を重ねる毎に、つくづく味わいのある俳句と感じる様になって来た。
平成も今年の4月末で終わり、新しい元号を様々に思い巡らしている人も多い事だろう。
昭和天皇が崩御され、昭和が終焉を告げたその時、自分は37才を迎える直前でJC入会2年目の時だ。時の小渕官房長官が墨で「平成」と書かれたパネルを顔の高さに掲げ、「外平らけく内成る」と言う意味だと説明していた映像が今も脳裏に浮かぶ。この平成は自分が最も自分らしく生きた30年でも有った。平成3年には、病弱な家内に負担をかけず酪農を継続する為にミルキングパーラーを建設した。更に牛乳が出来るまでを伝えたく、搾乳見学室をもうけた。これが図らずも酪農教育ファーム活動が全国的な活動となる嚆矢となる。更には見学者の方々から「広瀬牧場の牛乳を飲んでみたい。乳製品は作っていないの?」との声の高まりから平成11年、ジェラートショップ「ウエモンズハート」を開設するに至る。所謂6次化にも先鞭をつけた。平成13年から7年間「地域交流牧場全国連絡会」会長も務め、その間47都道府県の大半を訪問させて頂き、ヨーロッパ特にフランスには計5度訪問する機会も頂いた。この交流牧場のかつどうは、平成16年の国による「食育基本法」制定の契機となった。
如何にも、我が世の「平成」であった。
しかし人生、思わぬ所に陥穽があるもので、平成25年頃から「特発性拡張型心筋症」と言う難病を発症し、周りの人達や家族に支えられながらの闘病生活が始まる。この病気では余命宣告も受け、遠からず70才前後でオレの人生も終焉を迎えるものと覚悟を決めたものだ。
しかし物語は尚も続く。真実は小説よりも奇なり!だ。
何度もこの「よもやまばなし」にも書いた通り、小山先生が、ハートシート移植の第一人者阪大の澤教授を紹介して頂き、平成29年夏、奇しくも余命宣告時計を止めて頂いた。と同時に十勝を舞台としたNHKの朝ドラ「なつぞら」には脚本作りから酪農指導という形で手伝いさせて頂いている。
失ったと諦めていた自分自身の老後も、新元号に変わる今年2019年から始まる。
長々と書き綴ってきたけどオレの考える次の元号は、少々飛躍し過ぎかも知れないが、日本の食料庫十勝の時代の到来を象徴して「夏空」では如何か?イヤ余りにも十勝贔屓で狭量に過ぎるかも知れないので、農耕民族日本を象徴して「瑞穂」はどうだろう⁈
夏空元年。N元年?
瑞穂元年?M元年?
瑞穂はMizuhoでM。明治もMeijiでMと同じで紛らわしいので、矢張り夏空元年では如何⁈
1月13日日曜日晴天
医者から冬は風邪の季節なので、外出時はマスクをつける様指導されているせいか、最近外に出る時間が少なくなっている。イヤ、なまくらなだけか!
昨日朝住宅のアプローチを抜けて6線道路に出て西を見ると、朝日を受けた日高山脈が目に眩しい。路巾標識ポールの右に剣山が見える。我々が高校生の頃には登山遠足が有ったが、今はどうなのかね⁈我が家からは直線距離で約45km先だ。
少し左に目を転じて見ると、日高山脈中帯広市に有る最高峰で2,000mを越すポロシリ岳だ。ここは45kmの距離だ。
300間南の7線から真北を望むと、我が家の全景が見えてくる。その上には大雪山系がクッキリと見える。ここも約40km先だ。それにしても、手前の前塚さんの牧草地を見てもわかる通り雪が無い。
同じ7線から少し左、北北西を見ると、北海道の屋根の十勝岳、旭岳、黒岳などが80km先に見える遠すぎて小さくしか見えないが...
さて、今朝の道新には帯広地方の明日15日には雪マークが付いているが、いよいよ雪が降るかな⁉︎
雪が無い...
ウエモンズハートの店先
体験教室から6線道路も...
裏の畑もデントコーンの切り株が見える。
いくら小雪の十勝とは言え、ここまで降らないのも珍しいことだ。
昨年6月もひと月寒冷で降雨の毎日だったが、何も異常気象の現れなのか?
因みに、今月22日からここ十勝を舞台に「なつぞら」の冬バージョンの撮影が予定されているが、こんなに雪が無くても大丈夫か?
定期検査
「仕事始め」では無いが7日、夫婦揃って札医大の小山先生の診察を受けて来た。正月明けだからか、こんなにも病人がいるのかと驚くほど患者がひしめき合っていた。自分もその一人だが...。いや、これ程ひしめき合う患者の中でも、夫婦揃って循環器科のしかも同じ先生の診察を受ける「オシドリ患者」はいないだろう。心臓病1級障害者の妻と、と心臓の指定難病の亭主。所謂「病病介護」か⁈
7日の診断結果は、昨年来の良好を維持できているとの事。自覚的にも悪化はしていないなと思いつつ、先生の一言で、「思い」が「確信」になりホット一安心。
胸部レントゲンでは、ペースメーカーのCRT-Dの位置の確認と、心臓肥大が無いか見るのだが、何れもOK!だ。
又血液検査の結果はbnpが28.5(正常値は0〜15)と超良好。一昨年のハートシート移植手術前は700超えで、歩く事もままならなかった事を思うと、当に隔世の感だ。
今後はペースメーカーの寿命も来年早々に切れるが、ギリギリを待たず年内に入院し交換手術を受けることになる予定。
結果オーライを受けて、その夜は従兄弟夫婦と祝杯だ。