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2023年4月27日(木) 06:17

江戸時代の智慧

 今朝の日本農業新聞の第一面のニュースが目に飛び込んで来た。F2206CAC-63C7-4D8D-A37E-35E3A33F2C07.jpeg
下水汚泥から肥料となる「リン」を抽出し、「再生リン」として「再利用」しようと言うもので、
国土交通省によると、島根県、岐阜市、神戸市、鳥取市、福岡市の5自治体が既に生産に取り組んでいるようだ。

 確か自分が30代と言えば昭和50年代。つまり今から40年以上前に読んだ本の内容を思い出した。
第二次世界大戦直後には85%以上有った日本の食料自給率が当時50%を切ろうとしている時期でもあったが、
自給率の低下イコール食糧輸入量の増大による弊害という事が書かれていた。
 つまり我々の食料はN.P.Kプラス微量要素で構成されていて、国内での循環を超えてこれらN.P.Kが日本国内に過剰蓄積されると、
公害や河川、海の富栄養化を招く事になると警告していた。
昨年十勝や日高沿岸で赤潮が大発生し、甚大な漁業被害が報じられていたが、これらの元凶は過剰に豊かになった人類の
経済活動や生活による所、大だろう。
 話しはそれたが、食料のみならず、農業の為に肥料も大量に輸入している。特に火山列島である日本は
P(リン酸)が決定的に不足している。
それら肥料成分が人間の糞便の下水汚泥から分離し再利用できるのであれば三方良しである。
つまり日本人の糞便の3分の2は海外産の食料からなっているからである。
その糞便を再利用できる。
そして赤潮などの漁業被害も防げる。
江戸、明治までは糞便が肥料として取り引きされていたそうだ。特に大名屋敷や大店から出る糞便
は、粟稗の飯と味噌汁にたくあんくらいか食べていない下町の糞便より高く流通していたそうだ。
更には、同時代のヨーロッパや朝鮮などは糞便が街中に溢れていたそうだが、日本では
大事な肥料として取り引きされ、最大の循環環境に有り、結果的に100万都市江戸でも衛生環境は最高だった。
近頃、とってつけた様に、sustainableを呪文のように盛んに唱えているが、日本人は400年も前から循環と持続可能な社会経済を実践していたのだ。
資源小国日本は江戸時代の知恵に学び、あらゆるものを再利用すべきである。

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