一筋の光明
今般、ホクレンと乳業メーカーの間で、生乳取り引き価格のキロ当たり10円の値上げが合意された。
実施は来年4月以降の予定だが、酪農家にとってこの決定は、大きなクリスマスプレゼントでもあり、大きなお年玉だ!
もう55年も前の帯農高在学中の農業経営科で、3、5、7と言う比較数字を習った。
これは酪農、畑作、水稲のそれぞれの所得率でこの数字を目標に経費や借金を考えなけれはいけないと言うものだ。
5は畑作、7は水稲。我が酪農はこれらより少ない3を目安に経営しなさいと言われた。
帯農酪農科に入学する前年の昭和41年(1966)に一元集荷多元販売と言う考えの下
乳価の不足払い法が成立し、それまで乳業メーカーの言いなりだった乳価に対して、
国が平均的な生産費を算出し、持続可能な酪農経営ができるよう導入された法律だ。
資材等の市場価格をきちんと加味してくれるため、安心して規模拡大などの投資が
し易くなり、酪農は現在の様な大規模化が進んだ。
しかし、乳価算定については、様々な要因が絡み合うようになり、(GATTによる農産物
の自由化)国際競争力をつける為乳価を下げろ!と言い出す地元選出の代議士がいたりと、
補給金算定も随分と厳しいものとなっているのが現状だ。
そして牛乳乳製品の需給緩和が続くと言う現下の情勢で有りながら、来期10円値上げは
ロシアとウクライナの戦争により穀物や燃料が高騰し、最初に書いた所得率3割どころかマイナスになっている
まだまだ足りないが状況を鑑みた価格設定で大歓迎だ。