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2021年7月25日(日) 07:00

訃報

 昨日の道新だ。
えっ。忠行が死んだ?7FA5093C-913A-414A-A1CB-EDB92B3BCD20.jpeg
遠軽町若松。
69才。
間違いなく酪大(耳で聞くと、落第に聞こえるが...)の同級生の忠行だ。
彼も親の代からの牛飼いだ。
奥さんを農夫肺(牧草のカビを吸い続ける事による肺機能の低下。ロールベーラーが多くの酪農家で導入が進むと、多発する様になる。牧草の乾燥具合が足りないとカビが生え、給与作業者は毎回そのカビを吸い込み続ける事で発症する。)で亡くしている。もう17年も前の事になる。

 自分の学生時代の仲間は、良くも悪くも感情を直截に表す間柄で、現在も言いたいことを言い合い付き合っているが、忠行は飲み会でも、話し合いの場でも。その一歩外側に付かず離れずに行動している男だった。例えるなら地球から一定の距離を置いて周回する月の様な存在か!

 そんな忠行と偶然に会ったのが、1977(昭和52)年12月(25才の時)カナダのトロントで開かれていた農業の祭典ローヤルウインターフェアーでの事だ。
乳牛版ミスユニバースをメインに見に行った物だが、大型バスでメモ用のバインダーを首から下げた子供達がゾロゾロ降りて来るでは無いか。
なんで子供達が⁉︎と思い、ついて行くと(ストーカーじゃ無い、決して!)その会場には羊、山羊、ブタ、ニワトリなどの小動物や色々な農作物の栽培展示、小農具など農業関連の物が様々展示してあった。
そこで子供達は夫々のブースの担当者に質問したりメモを取っていた。

流石農業大国カナダ。子供の頃から農業関連の勉強をするのか!と驚きつつ見入っていると、背後から「おい、広瀬じゃないか!」と声をかけられる(ハーイ、ヒロセ!なんて言う英語では無く勿論日本語で)。
驚き振り向くとそこには「忠行」が立っているではないか⁉️
久しぶりでしかも異国の地で邂逅する奇遇にお互いビックリ。
その夜は2人でトロント市内のバーを2軒ほど飲み歩いた。同級生とは言え、こんなに長時間、忠行と向き合って話しをしたのは初めてだった。
 
 直後はお互いの家を訪問し合うが、矢張り自己主張の少ない忠行。年賀状だけの付き合いになり、奥さんを亡くしてからはそれも途絶えがち。
風聞で、忠行は癌を患っている事は聞いていたが、とうとう亡くなってしまった。それは食道癌で見つかった時には手が付けられない程進んでいたらしい。
又一人、友人が逝った。
  合掌

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