ほうぼく
つい1週間ほど前に発表された週間天気予報では、連休突入の29日から丸々1週間は雨との事だった。しかし、予報は嬉しい方に外れ、1日は朝から晴天だ。
そこで半年舎飼いになっていた牛の親子を屋外に放牧した。
子牛は先に定位置に行ってしまっている。母さん牛も久しぶりの外気にうれしそうにしている。
オレが小さい頃は、頭絡(モクシ)に5~6mの鎖をつけ、鉄杭とハンマーを担いで牧草畑にに行き、畑に鉄杭を打ち込み鎖の端を繋ぐ繋留放牧だった。昼に水飲みに連れ帰り、午後再び繋留放牧と言う繰り返しだった。そしてそれは半年間毎日続くのだ。いまから65年程前の脱穀風景だが、後ろに鎖に繋がれた牛が草を食べている。牛達は杭を中心に同心円状に草をキレイに食べていて、その円は牧草畑にいくつも広がり、後年アメリカ大陸をシアトルからシカゴに向かう機上から見た中西部の灌漑農地を見て、牛の繋牧と同じ様な風景として記憶している。
その後小学校高学年だから昭和36~7年頃には、電気牧柵を使った放牧が始まり、それは平成3年のフリーストール導入まで続くのだ。
繋牧に比べ電牧での放牧は牛にとっては、自由で腹一杯食べられると言う意味では、天にも昇る思いだったろう(牛とは直接会話したことは無いので、憶測又は推測だが)。反面、脱走事件はフリーストールに移行するまで、数え切れない程発生し続け、オレはその度に牛を集める事は元より、換金作物などに被害を与えてしまった周辺の農家には、平身低頭。幾度となく辛い思いをさせられたか。
さて今回の放牧、何と長閑な事か!
件の親子は餌や水は要らない。糞もしない。乳搾りはしなくていい。哺乳もだ。勿論脱走事件は皆無!
それでいて、ウエモンズハートのお客様から大人気で、記念撮影に引っ張りダコだ!