軒先サギ?
94才になる父がここ一週間ほど、熱は無いのだが咳と痰に悩まされていて、更には食欲も殆ど無い。脱水症状を起こしていると危険なので、今日市内のとある病院を受診してきた。
初めての受診なので、コロナ禍の現在、発熱外来も有り安心して受診出来ると聞き、行ってきたものだ。
事前にクルマのナンバーを伝えて置き、予定通り指定された駐車場に着き、電話をする。
「〇〇様ですね。電話をきって少々お待ち下さい」
電話を切り30分程待つと漸く電話が。
「患者さまの様子は?」
「咳と痰ですね。痰の色は?熱は?最近何処に出かけましたか?」などと聞かれ、「そこで電話を切って少しお待ち下さい。」
又15分程後、再び電話が鳴る。
「家族構成を教えて下さい。...えぇ〜っ!家族8人⁈どう言った構成ですか?」
「奥様が同じ様な症状で...。ハィハィ、違う病院で、咳止めと痰を切る薬を頂いた⁈成る程、少々お待ち下さい。」と三度待たされる。
又「少々」か⁈と内心舌打ちしながら待つ事20分。
「患者様、その他の症状は⁈」
「下痢も有る⁈ハアー⁈少々お待ち下さい。」
得意な「少々」の安売り。歳を取って気が短くなったのか段々と頭に血が登ってくる。
「もしもし、何度も済みません。あの〜、PCRの検査、受けて下さい。今お車の止まっている駐車場の直ぐ横に、ドライブスルー形式の外来が有りますので、車を横付けにして、窓を開けずに窓越しに保険証を提示してください。次に唾液の採取と検査料金5,000円お預かりします。」
保険証はまだしも、サンプル採取ビンやお金は窓を開けずにどうやったら受け渡しが出来るんだ?と思いつつ
「何度も待たされ、挙句にPCR検査を受ける様にとの指示だけど、結果が出るのにどれ位時間がかかるの?」と聞くと「結果は明日か明後日にはわかりますので、こちらからお知らせします。」
「ハァ⁈明日?じゃ、診察はいつして貰えるの?」
「ハイ、お薬はもうでていますので、隣りの第二駐車場にてお待ちください。その駐車場の目の前の建物が薬局になっていますので。」
「薬が出ているって、先生の診察も受けていないのに⁇」
「ハイ、大丈夫です。」
「大丈夫って、何が⁈」
対応してくれている看護師との噛み合わない事態に段々と頭に血が登ってくる。「これってリモート何ちゃらなの?だったら窓越しにでも先生が顔を見せ、自分の言葉で伝えて欲しいものだなぁ!」
「ハイ⁈」の後無言......。
「もういい、分かった‼️第二駐車場で待てば良いんだな!」と言葉使いも荒くなってくる。
さて、指定された駐車場で又10分ほど待つも、何の音沙汰も無い⁈
「もう薬は出てると言った割には遅い...」
シビレを切らし薬局内へ行くと受け付け事務と薬剤師2人、合わせて3人の目線がこちらに向く。そして「何か⁈」とのたまうでは無いか。
「廣瀬と言いますが、先程から駐車場で待っているんだけど、薬はまだかな⁈」
「ヒロセさん⁈少々お待ち下さい。」
また、少々お待ち下さい、か!
すると薬剤師とおぼしき男が、まだ調剤指示書が届いていないんで、少々お待ちください。
「少々お待ち下さい、少々お待ちくださいと言われ続けて早2時間以上待たされて居るんだ。しまいには医者の診断の一言も無く、何を根拠に薬を出すんだ?これって医療なのか?こんな事なら初めっから薬局に行って相談し、市販薬を貰えば良かった。ま、兎に角今時間が無いので夕方薬を取りに来るから!」と言い捨てる様にして薬局を後にした。
午後3時半に、薬を貰いに行く。
所要時間はその薬を受け取りに再び出かけてきた時間も含めると、合計4時間。
今回の受診では医者の顔は一切見る事無く、終了。
病院脇にプレハブがあり、一枚の紙に「発熱外来」表示してあり、そこには防護服やマスク、ゴーグルを身に纏った看護師が一人いるのみで、一人で全てを取り仕切りっていた。
なんだかキツネにつままれた様な感じ。今風に言うとオレオレ詐欺ならぬ軒先サギのようだ。
「コロナは絶対持ち込ませず!」の意気込みは判らなくは無いが、気分が悪くなる対応だった。
正月明け、上札内で購入した山林の樹種とその疎密を調べる為、ドローンを所有している三男に頼み、上空から撮影調査した。その時は日中も−10℃前後にしか上がらず、父は大半、車の中に居たのだがそこから余りにも長く症状が続いている為、受診したものだ。
一歩間違うと、老衰なんて謂れかねない年齢。
なんでも良い。
早く治ってくれ。
因みに父が受けたPCR検査の結果は、翌日病院から連絡があり(ー)だったので、皆さんご心配無く遊びに来て下さい。