農校
数年前、イラン系の俳優のサヘル・ローズさんがとある番組の収録で我が家に訪ねて来てくれた。
皆さんもご存知のエキゾチック美人。
しかしその美貌を鼻にかける事もなく、日本語も流暢。
気さくで相手に気遣いをしながら話しかけてくれ、すっかり虜になってしまった。
記念撮影をお願いしたら気軽に応じてくれた。
撮影後写真を見てみたら、美人のサヘルさんが一線を越えるのではないかと思われるくらい寄り添ってくれたので、ドギマギしながらも嬉しく、年甲斐も無く照れ隠しが表情に現れている。
その番組の内容は忘れてしまったけれど、我が家のパーラーでの搾乳風景を撮影し、実際に搾乳体験もしてもらった。
最後にサインをいただき、店長も交えもう一度パチリ!
写真の日付を調べてみると2016年6月29日なのでもうまるまる5年も前の事だった。
さて今朝の我が業界紙日本農業新聞の一面にあの懐かしいサヘルが、笑顔をこちらに向けてくれいるでは無いか。
一瞥以来で懐かしく、活字を追ってみる。
サヘルは実は農業高校の卒業生だったのだ。
彼女はイランで生まれるも幼い頃親に捨てられ養母に育てられた。その後7才の時、その養母と共に日本にわたる。日本で入学した小中学校ではいじめにあっていた。入学した農高でも人と関わるのが怖く、一人殻に閉じこもっていた。そんな私を見て、国語の先生が声を掛けてきた。
「失敗や回り道は未来の糧。自分らしさを否定する理由などなくて、自分を好きになれば、出会った人の個性も分かるし、人をどんどん好きになれる。」と、自信を持つ大切さを教えてくれた。
それから自分の人生が開かれてきたそうだ。
最後に「冷め切った心を耕し、温め直してくれた園芸高校。農業が生業では無い私ですが、農業が持つ普遍的な価値を語る自信はあります。私の人生そのものですから。」