店では売らない
今朝の日経新聞から。
2面の中央下段にコラム「迫真」の売り方改革「d2C」
デパートの丸井の新宿の店舗1階に「データを売り店」がオープンしたとある。
2008年の金融危機で赤字に転落。
業態の見直しに着手するためお客の声を拾うと「お店が服ばかりで気持ち悪い」「接客が怖い」と、それまでの百貨店方式の限界が見えて来たそうだ。その今井が2017年に誘致したカナダのフィットネスアパレル、ルルレモン・アスレティカを誘致。その創業者の教えは「我々にはひとつだけやってはいけないことがある。それはお店で売ろうとする事だ。」と言うものだ。
このコラムを読んで、はたと膝を打ったらイタいので(オット、年を取るとこんなところにも気をつけなくちゃいけないのだ⁈)軽く膝を撫でた。
我が広瀬牧場が1991年に始めた牧場見学や酪農体験が当にそれにあたるのだ。「店ではものを売るな」とたったこの一言だ。
1970〜80年代は酪農の規模拡大に消費が追いつかず、牛乳の特売や乳製品の余剰から乳価の低迷から値下げが相次ぎ、酪農を廃業する者も数多だった。売るスーパー側も消費者ニーズと声高に叫び、我々生産者から買い叩いてもいた。
スーパーやデパートの商品棚のうらのストーリーを消費者に知ってもらう、価値に気付いてもらうのが先決っはないかと思いたち、1991年「見るキングパーラー」を建て、直接消費者を招き(実態は一度も見学の宣伝はした事も無く、口コミで数年後には年間3,000人以上が訪れるようになっていた。つまり同時並行的に消費者もじぶんの血となり肉となる食料の生産地情報を知りたがってもいたのだ!)牛乳ができるまでと言った酪農理解を深めてきた。
結果消費者に促されるように1999年ウエモンズハートをオープンさせる。それと同時に中酪の主導で酪農教育ファームなるものが推進され始め、これまた1999年には地域交流牧場全国連絡会がスタートしたのだ。
今や牛乳、乳製品は日本人に取って必要不可欠な食料となっている。
30年間自分の人生の大半を費やして行なってきた、消費者理解。
「物は売っちゃいけない!」こんな簡単な一言ですんでしまうのだ。
いずれにせよ、我が人生肯定されたようで、嬉しいニュースだった。
さて今日の日程は、8:30点滴開始。9:00PCR検査、13:00カテーテル検査だ。