MMJ
今朝の道新一面。
恐れていた事が起こっていた。
乳質の不良による生乳の集荷停止だ。
昭和41年から続いていた、生乳指定生産者団体に全量出荷する事を前提に不足払い制度が、酪農業界の安定成長を支えてきた。しかし、牛乳と雖も自由販売を認めるべきだとの声を盾に、群馬県伊勢崎市のMMJ(ミルクマーケットジャパン)がその趣旨に賛同する酪農家から生乳を受託するようになり、十勝では札内のT畜産、帯広のK農場が出荷先を変更。オホーツク、根釧地区では数戸ずつ纏まっての出荷先変更を行い、生乳販売もいよいよ自由化の波当来かなどと、新聞やテレビで華々しく報道されてもいた。
そんな世論を背景に2018年には生乳流通の規制も緩和された。
風聞だったが、帯広のK農場は集荷停止をうけ倒産したとは聞いていた。K農場は元々は飼料会社で酪農事情は知悉していた。乳代の保証が有るんだから、自分ならもっと大規模にして儲けてやる!と25年ほど前に新規参入した農場だった。酪農振興会の支部が一緒だったのだが、ホクレンや農協の方針に唯々諾々としている様に見える既存の酪農家に、物足りなさを感じていたようだ。
それは乳質改善に資すると言う酪農振興会(農協側からと理解する)の厳しいペナルティ制度であった。
酪農を甘く見ていたせいか、乳質(体細胞や細菌数)のコントロールができず(我が農協管内70戸程の酪農家中最低の乳質だった)、高額なペナルティーを払わされていたが、その事に常に不満を並べ立てるのが常だった。
そんな中MMJの登場である。K農場は渡りに船で後足で砂をかける様に農協を脱退。生乳もいよいよ自由化当来か⁈と言った趣旨の新聞テレビの取材に、以前より生乳1kg当たり10円も高く販売している。協同などはもう古臭い!と豪語していた。
しかし、乳質の改善を怠り繁殖成績も改善されず、規模縮小を余儀なくされていた。そして、最近酪農を廃業し第三者に譲渡したときいていた。
そして今朝の新聞だが、乳質の不良を理由に受託停止を受けたオホーツクの酪農家達は直接の乳質検査では何の問題も無い。冬季不需要期で売り上げが伸びず、受託を制限する方便だろうと対決しているが、生乳は受取手が無いため生乳廃棄を余儀なくされたり、廃業もしくは経営変更によりホクレンに再加入したりと、右往左往している。
協同の理念の欠如。いやそれ以前にエンドユーザー(消費者)を意識しない自由化ばかりの議論が先行してしまった結果だ。
因みに我が広瀬牧場の乳質は、体細胞(乳房炎のマーカー)、細菌数(牛の住環境の良否のマーカー)共にNo. 1であり、ペナルティの反対に良質乳出荷奨励金を頂いている。ウエモンズハートはその良質乳を原料を元に毎日製造されるのだ。
そのウエモンズハートもいよいよ明後日3月20日オープンとなります。
皆様本年も宜しくお願い致します。