ここまできたか!
今朝の業界紙
我が家が酪農を始めて70余年が過ぎ、この酪農部門は今3代目の貴章が経営者となっている。
この3代70年の月日で酪農も随分と様変わりしてきた。
搾乳はロボットになったり、子牛の哺乳もロボット。♂♀の生み分けなどの産仔コントロールが当たり前の時代だ。
父博昭が酪農を始めた昭和20年代〜30年代前半までは、飼っている♀牛が発情の兆候を見せると、近くの種牡牛を飼っている酪農家に牛を引いて行き、本交で授精して貰っていた。
つまり♀牛に仔を産ませて乳を搾るのが酪農なのだ。
自分が後継者となった昭和40年代後半は人工授精が大半を占めるようになり、自分自身も人工授精師の資格を取得したものだ。更にはアメリカの酪農業界では、精液をイオン分離して♂♀の生み分けの技術が開発されと噂になったが、その時は産み分けの確率が低く、一般化されなかった。しかし、平成も中頃になると、受精卵を分割しクローンの技術が確立され、更には精子を遠心分離で♂♀の産み分け確率が格段に高まり、先に書いた通り肉牛農家が♂和牛の受精卵を酪農家に提供したり、自身で搾乳牧場を開設する時代になって来ていた。
しかし初めっから双子を産ませるなんて。
つまり一度に二頭の仔牛を生ませる為、和牛な受精卵をホルスタインの母体に二個移植する。
身体の大きなホルスタインに2まわりほど小さな和牛の受精卵を移植する。そんな技術だ。
そう言えば、十勝管内の大きな肉牛農家は肥育素牛を家畜市場に頼らず手に入れる為、ここ十数年、搾乳牧場を併設するようになり始めているが、更に一度のお産で2頭の素牛を手に入れる事が出来る。
いやはや、酪農もここまで来たか!