美しさ
11月中旬「なつぞら」の演技指導と言う事で、渋谷のNHKに1週間弱訪問してきた。場面は牛乳処理室での作業風景の収録なのだが、我々酪農家に取っては何気ない作業でも、矢張り「らしさ」が必要らしい。当たり前か。
場面、場面で監督や助監督から、役者の配置や夫々の動きをみて所謂振り付け指導を頼まれるのだ。
「廣瀬さん、この場面の所作はどうですか」或いは「所作、やって見せて頂けますか」といった具合だ。
花を生ける、お茶を立てる、ナイフとフォークの使い方或いは箸の使い方など優美さが求められる動きに対して使われるであろう「所作⁈」と言った言葉に、未だ嘗て「所作」など意識して行動した事の無いオレのこころのうちでは、何か過剰反応してしまう。
百姓仕事に「所作」?「ふうーむ⁈」
考えて見ると、日々の行動に合理性、安定性が必要だし、飲食店では清潔感など安心感が有って初めて日常生活が送れるのかも。
今朝、札幌市内の某コーヒーチェーン店で、オープンしたばかりだからか店の外から庭ボーキとチリトリを持った女店員が入ってきた。その道具を持つ手が冷たいのか汚れるのが嫌なのか、羽織っているカーディガンの袖を指先まで引っ張って肌に触れないように握っている。
そのカーディガン通勤用?デートの時にも着用していくの?はたまたそれを着たまま食品の準備をするのかなぁ?
この傍目を意識していない独りよがりで美しくない「所作」を見て、NHKでの「所作」指導のお手伝いを思い出した。上手く行っているだろうか⁈