戦略
今日もわが業界紙のコラムを読んで。
件の鈴木宣弘先生曰く、「武器としての食料」と言う話し。
このコラムでは、アメリカの武器としての穀物戦略を中心に書かれているが、大豆、トウモロコシ、など輸出穀物だけで1兆円の輸出補助金を農家に支払っても、彼らは先端兵器を開発し整えることを考えると安上がりだと臆面も無くいう。
大学の農学部でも学生たちに「君たちはアメリカの誇りだ。君達が食料を生産してくれる事が、アメリカが世界に君臨できる力だ。」と話すのが常らしいが、これは新得の共働学舎の宮嶋望氏も彼の国の農学部に留学した経験談として話していた。
翻って日本。
農業を語るに於いても、経済効率一本槍。これでは家族経営など成り立ちはしない。ひいては食糧自給率のなし崩し的低減を招く。これは30数年前、大阪商工会議所会頭の佐治敬三の「あんな非効率的な農業は日本には要らない。我々がどんどん外貨を稼いで、海外から安い農産物を必要なだけ買えばいい!」と言う彼の持論、農業不要論が当時の文藝春秋に掲載されていて心底怒りを覚えた。そして悲しいかな現実は佐治の言う通りになって来ている。1億2千万の命を預かっている日本政府の考える国家セキュリティ、大丈夫か?
今自分は高齢者の仲間入りを果たした紛れも無い老人だが、この年に成っても「ありがとう」とか「お陰様で...」などと言われると嬉しくなり、老骨にムチを打ってでも頑張ろうと思うのだ。
国が、政府が「ありがとう。あなた方は私たちの誇りだ!」と言う気持ちを持って農業政策を進めてくれたらなぁ!