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2018年12月 4日(火) 06:49

繰り返す対日圧力

『「ジョン ブロック」という名前に懐かしさを感じる人は、失礼ながらお年を召した方だろう。』から、我が業界紙日本農業新聞の今日のコラム「今よみ」が始まっている。
このアメリカ人の名がオレの記憶の片隅にもあるという事は、つまりお年を召した方なんだ⁈オレも...。懐かしくはないが!IMG_3619.JPG
このジョン ブロックなる人が、アメリカの農務長官だと言うことは覚えているが、後に日本がアメリカの圧力で牛肉、オレンジの自由化を受け入れることになるが、その立役者ということは記憶にない。
このコラムにある通り、アメリカがソ連のアフガニスタン侵攻に怒り、ソ連向けの農産物の禁輸措置をとった。その煽りを喰ったのがアメリカの中小の農家で、離農が相次いだ。
ソ連への懲罰的禁輸の結果としてして生じた余剰農産物のはけ口として、経済成長著しい日本がターゲットになった結果としての、牛肉、オレンジの自由化だったのだ。
その前にはアメリカの大豆が不作になり、アメリカ国内の大豆価格の高騰を未然に防ぐため、大量に輸出していたソ連をはじめ日本に対しても禁輸措置をとる。戦後80%近く有った大豆の自給率が低価格のアメリカ産に日本の大豆生産が低迷。自給率を落とした挙句のアメリカの暴挙。豆腐やアゲの小売価格が何倍にもあがってしまった。同盟国に対しても何の忖度も無しの値上げだ。
それから40年。
今度はトランプ大統領が中国との貿易戦争を引き起こし、輸出にブレーキがかかったアメリカの農家は不況の淵に。そして不満がたまった農家の圧力のはけ口として、再び日本の農業がターゲットになってしまう。
記憶力があまり良いとは言えないオレが、なぜそんな事を覚えているのか。 当時広瀬牧場の若き後継者だったオレには、生産する牛乳の買い入れ価格の1円の上下は最大の関心事だった。そんな中での牛肉オレンジの自由化のニュースに、危機感を感じた。そんな所から日本では農業は、国に護られないことを自覚もした。自分の経営は自分で護る自助の精神が芽生え、規模拡大によるコスト削減を積極的に図る様になった。
このコラムから感じる事は、アメリカの二重外交ぶり、加えて言うなら所謂ディスマーチャントの姿勢である。
米ソ冷戦時代には日露の接近を恫喝したり、ブラジルからの大豆輸入促進に動いて独自外交を展開する田中角栄をロッキード事件で失脚させたり。又武器なども敵対する双方に売却したりと、アメリカの無法ぶりには枚挙に暇が無い。
そんなアメリカに日本の政治家はなす術も無く、農産物の解放をしてしまうのか...
最低限日本の食糧の自給率を守るため、今の家族経営を次世代に引き継ぐ。これが今の農業者にとって最も重要な責務かも知れない。

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