賢者は歴史に学ぶ
昨日oazoで5冊の本を手に入れてきたが、前回、イヤ前々回から買いだめていながら手につかなかった読書を解禁した。
別に禁欲生活を送っていた訳ではないが、野暮用が立て込み読む時間が取れなかったのだが、ようやくだ。
この本のタイトルからは、先日校了した廣瀬家渡道百年誌「賢者は歴史に学ぶ」で、自分が表現したかった人間の陥穽を感じ取りてにとったものだ。
戦前、天皇すら容認していた美濃部達吉の天皇機関説を、当時野党の鳩山一郎が不敬罪などと軍部とともに、政府を攻撃。ついには統帥権干犯問題を持ち出し、軍の行動に独裁を許し、政府は追認するのみ。挙句、迷走する軍に日本と言う国が、日中戦争の泥沼に引きずり込まれる遠因となった。くだらない政争が軍部の台頭を許してしまう。今日の世界情勢の分析もせず、ただ相手を論破する事が目的となって迷走している今の政党政治と酷似している。
戦前、政情の安定しない中国に於いて、汪兆銘なる親日を標榜する政治家の動きを当時の近衛首相は見捨ててしまい、反日の蒋介石、更には毛沢東の台頭を許してしまう。そして世界中を敵にして国土を焦土と化し、結果として日本はアメリカの51番目の州と見間違うほどだ。
戦後田中角栄が共産党率いる中華人民共和国との国交回復のために、台湾(中華民国)を見捨ててしまう。これは当時、「同じタオルを売っても、8億本売れる方がいい」と言った経済優先で、親日国家を裏切ってしまう日本。
この本では更に、第一次世界大戦では英仏露のヨーロッパ派兵要請を退け一人アジア太平洋でドイツの植民地を奪う事だけに血道を上げている日本。そこからアメリカのみならず、ヨーロッパ諸国の信を失っていった。後に第二次世界大戦を米英仏を中心とした連合国と戦う羽目になり、必然とも言える敗戦。そして国土の荒廃を招いてしまう。過去、日露戦争勝利の中にも後の戦争の敗戦のタネ(当時世界最大の軍事力を誇っていたロシアになぜ勝てたのか?いくつかの幸運が重なり、薄氷を踏む思い出得た勝利にもかかわらず、実力と過信してしまった。)が内蔵されている事に気付かなかった。
翻って我が家。
何とか安定している今だからこそ、何処かに気づかずにいる陥穽が...