ドーナツとスポンジ
大店法とやらが出来て、郊外に巨大なショッピングモールが出来始め、街中の小さな専門店が相次ぎ閉店。街の中心部の活力が郊外に移ってしまう事をドーナツ化現象と言うようになって久しい。帯広も例外では無い。駅前の西二条通は繁華街の代名詞で、日中は地方からの買い物客でにぎわい、夜は夜で社交場として肩も触れ合わんばかりの人、人、人だった。40年前は...。
先日新聞に「都市のスポンジ化」というニュースが載っていた。
「都市のスポンジ化...⁈」
人口集中地区とは1ha(100m四方)当たり40人以上が住む地域だそうだ。帯広駅前はまだ人口集中地域ではあるけど、既に中心街では無い。
識者は「規制緩和と都市間競争が招いた結果」と言うが当にその通り。2000年の都市計画法の改正(改悪だ)を契機に、近隣地域への人口流出を恐れる自治体と地下が安く儲けの出る郊外志向の宅地開発業者の思惑が合致したからである。
帯広大空団地しかり、西帯広ニュータウンしかり、造成時は小中学がいずれもマンモス化し、更に校区を細分化して対応していた。しかし、今は人口が移動してしまい、学校の再編が始まっている。今最も人気を博している清流の里地区も30年先にはどうなっている事か?全国的な空き家問題とも連動している。
自分は過去にフランスに6度程お邪魔している自称「フランス通」だ。
毎回、パリ郊外のドゴール空港発着だ。ある時は家内とメトロのほぼ終着駅近くのホテルに数泊投宿した。そこからタクシーで農家やランジェス市場、教育ファームを視察したが、すぐ農村地帯。日本の都市のようにダラダラと街並みが続いてはいなくて、直ぐ広大な小麦畑や大豆、ビートなどの農作物が広がり、驚いたものだ。
ここ10年程我が家の宅地部分の固定資産税が3年の見直し毎に税額が上昇している事に気付いた。市の資産税課に問い合わせると、都市計画法では市街化調整地区の宅地は市街地並みに課税し、農地の流動化を促しているらしい。フードバレーを標榜している帯広市においてもこの様な体たらく。噴飯物だ!
ドーナツやスポンジの話しはどうなったか⁈
日本という国の人口減少は既に始まっている。
50年100年先を見据えた都市計画が必要だ。もっと農家が心安らかに営農出来き、ひいては食糧の自給率向上(消極的ではあるが、今の食糧自給率を維持していけば、人口減少に相俟って相対的に上昇するのでは...)に向けて頑張る農家を皆で応援する時代の到来を期待する。