愛しのマルティーナ
古い写真が出てきた。
帯広市主催のグリーンツーリズム調査の団長として、平成元年8月下旬仏、独、蘭の三ヶ国を訪問し、ドイツでは実際にファームインを実施している農家に二泊させて貰った。
始めの写真は受け入れ農家の御主人と娘のマルティーナと三人で記念撮影をしたものだ。
マルティーナは、食事時にはナイフやフォークを並べて食事を運んで来たり、食後のコーヒーも出してくれたりとお母さんの手伝いをするし、且つ良く気がつく子だった。そして通訳を介して父親と初めて見たのであろう東洋人との話に目を輝やかせて聞き入っていた。
オレが外に出るとついて来て農場内を案内してくれたり、一緒にバトミントンをしたりと人懐こく性格も可愛かった。
帰る日の朝部屋で帰り支度をしていると、彼女のお母さんが階下から呼ぶ声が聞こえ下りてみると、マルティーナがエプロンをつけてコーヒーを入れていた。母親は「マルティーナは今朝早起きして、ヒロセさんが大好きなコーヒーを自分で入れたのよ。お代わりして飲んでね!」
朝6時半頃だったと思うけど緯度の関係か外はまだ真っ暗で、こんなに朝早くからマルティーナがオレの為に!と、感激だった‼️
食後彼女の母親は「この写真、マルティーナがキリストの洗礼を受けたときのものなの。良かったら持って帰って!」と2枚の写真を手渡してくれた。
どうだ、可愛いだろー‼️
もう一枚
いよいよバスに乗り込む時、マルティーナも握手を求めてきた。
一瞬ハグをしようかと脳裏をよぎったけれど、日本男児には似合わないと、もう一人の自分が制止した。
遠からずマルティーナに会いに来たいものだ!と思いつつ帰途についたがはや30年が過ぎた。
彼女は確か、私の次男と同じ年だったはず。と言うことは...、今は36才か!