プレゼント
昭和52年11月、十勝農協連主催のカナダ、アメリカ農業視察に参加した。当時アメリカかぶれだったオレは、兎も角何でも貪欲に吸収しようと意気込みは凄かった(学校に通っている時にその貪欲さが有れば、少しは立派な人間だったかも...)。
羽田空港を夜8時頃出発。飛び立ち水平飛行に入ると、夕食がでた。初の機内食。海外へ行くのだと言う実感でワクワク。そして睡眠時間。まどろんでいると、日付変更線を越えたあたりから朝日が出始める。暫くすると朝食だ。余り腹は空いていないけど、これも美味しく平らげる。そして間も無く乗り換え空港のシアトル到着で、待ち時間を利用して少し早い昼食をたべる。
シアトルを発ちロッキー山脈を越えると、遥か眼下、地上に⚪️い跡が整然と並んでいるのが見えて来た。オイルタンクでは無くアメリカ中西部の灌漑農業だ。眼下の変化に富む風景に夢中になっているうちに、最初の宿泊地シカゴのオヘア空港に到着しホテルに入ってワイワイガヤガヤと楽しい夕食だ。これも平らげる。
翌朝食事を済ませオヘア空港からトロントに到着、いよいよ視察旅行が始まる。と、その辺りからお腹の具合が悪くなり、食事も進まなくなる。
オレは普段から、快眠、快食、快便だけれど、東向きに飛行機が飛ぶため時間の進みが早く、食事の回数は増えていながらトイレに行く回数は減って仕舞い、世に言う便秘かはたまた食滞で辛かった!
いくら貪欲だったかと言っても意味は大違い。ましてや今日は便秘、食滞がテーマでは無かった!
その旅で腐心したのは、当時付き合っていた彼女へのお土産、プレゼントだ。そう、今日の話題はプレゼントだった⁈
カナダと言うお国柄か革製品がすごく充実していて、ワインレッドと言うか兎も角綺麗な真紅で膝丈の皮のコートを手に入れた。
靴屋さんでは黄土色のブーツを買うなど、彼女の喜びそうな土産探しに夢中で、農業視察はそっちのけ。その甲斐あってかその時の彼女は皆さんご存知、今の家内です。オット、今の家内と言ったからって、前の家内は居ません。正真正銘の初婚です、オレは!
仲々今日のテーマにたどり着かん。
一昨日、新潟の友人から一冊の本が届いた。
これは我が地球上ではマネーゲームが過熱し、それにより得られた富の偏在を分かり易く説明した本だ。
巻末には、「地球はひとつしかありません。ほんの少し分け合うしくみがととのえば世界は変わります。」
また、「世界は大きな船です。すぐには針路を変えられません。たくさんのわたし・たちが力を合わせればこの船をより好ましい目的地にみちびくことは可能です。きっと。」と結ばれている。
この本を送ってくれた友人は、社会の第一線を退いた者同士、子孫にこの地球を少しでも良い状態で残して行こうと誘ってくれている。