藪入り考
大阪は今朝も明るい日差しが降り注いでいる。外はきっと朝から暑いんだろうけど、温度のコントロールされた病室から見ていると、本当に気持ちがいい。
それにひきかえ、我が故郷帯広は7月下旬から雨の日が多く、特にこの2〜3日雨模様のようだ。畑の作物ももうそんなに水も要らない時期だと言うのに!また祖父は夏の日照りに不作無しとも言っていたけれど、反対から考えて見ると、イモ、ビートなどの根菜類は腐りやすく、豆やトウモロコシなどは受粉しにくく収量の低下を招くもので心配だ!
何事も程々、中庸が良いのか⁈
さて早い人はこの11日の山の日から。そして今日13日はお盆の入りだ。
その昔、商家の丁稚や女中には定休日が無かったが、盆と正月だけは薮入りと言って実家に帰る事が出来た。
病気の療養や治療と丁稚仕事と比べても詮無い事だけど、振り返ってみると今年のオレは薮入りが無い。今年、平成29年の正月は帯広厚生病院で迎え、お盆はここ大阪大学附属病院で過ごす。
今年の正月を挟む4ヶ月の入院は700を超えてしまったBNPを100まで小山先生に戻してもらった。1月末に帯広厚生病院を退院する際、小山先生には「広瀬さん、今度BNPの値が上がってしまったらもう僕の力では戻してあげる自信が無い。」と安静を指示される。私的にも心筋症が一段と進んだと思っていたのだが、少し老後を取り戻せた様だ。
そして今回の阪大病院は拡張型心筋症の悪化、進行を食い止めるために開発された先端医療を開発者の澤芳樹先生率いる医療チームに施して貰う為の入院だ。
筋芽細胞の採取とシート状への培養。そして7月25日のハートシートの移植手術。5月8日からの移植までの全ての医療行為が順調で、今日8月13日を迎えることが出来たのだ。
今回は完全に老後を取り戻し、平均寿命は全う出来るのでは、と予感させてくれる。
今の自分の体調は、ここ4〜5年常に咳と痰に悩まされ、呼吸する度にヒュー、ヒューとかゴロゴロ鳴っていた呼吸音が全く無く、従って咳や痰も日に一度有るか無いか...!
ともかく、息をする事がこんなに楽だとは...!
傷の痛みもほぼ無くなった!
今年一年、薮入りが無くてもこんな嬉しいことは無い!
感謝感謝です。