明と暗
羽田帯広間のJAL最終便の窓から見た日没後の光芒だ。
先程、帯広の友人から訃報の連絡があった。
亡くなったのは、帯広で設計事務所を開いている奥周盛君だ。
35才の時、帯広青年会議所で出会って以来の友人だが、生まれ年が一緒という事もあり年に数回は飲み会で会っていた。奥君と最後に会ったのは同じく友人の近藤哲男君の奧さんの葬式でである。
今年に入って、短大同期の川端勇一君の奥さんの千代子さん、青年会議所同期近藤哲男君の奥さんの由美子さん、帯農の同級生の石川和男君、そして奥周盛君が相次いで亡くなった。
四人とも癌が原因だ。この4カ月余りで同級生やその奥さんが立て続けに亡くなり、何とも高齢者の仲間入りを実感させられる。
そこでどうしても比べたくなるのが、自分自身の心臓の難病と診断されてからの来し方、そして行く末だ。
今日、夕方デイルームで一休みしていると、隣の929号室に入院している人から、「心筋症で治験を受けられる方ですよね!」と声をかけられ、その後夕食を挟んで2時間以上話し込んだ。
その人は昭和40年生まれの東北の♂さんと言う兼業農家の人だ。
病歴は私よりはるかに長く、10年にも及ぶそうだ。そして矢張りこの阪大で治験者に採用され、今年4月入院。5月に筋芽細胞を採取。彼は右足だ。そして6月に移植手術を受け、今日で丁度4週目とか。そして26日には目出度く退院の運びらしい。
自分が拡張型心筋症へのハートシート移植と言う治験者六人目とは自任していたけれど、先に治験を受けた5人はどの様な人で、どの様な経過を辿っているのか知りたいと思って居た矢先、病歴、そして治験に対しても良き先輩に出会えたものである。
65才。高齢者の仲間入りを果たしたばかりの友人。
夫々が病いと闘いながら、片や、あらがいそして敗れ老後も失なってしまい、もう片や、先端医療に出会い99%失われた老後を取り戻す。
持って生まれた生命の妙だ。
先輩の♂さんと出会い、手術への期待と安心感も倍増!
心筋シート移植手術まで後5日!