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2017年7月21日(金) 18:40

7/21。パートII

鳥居民氏著「日米開戦の謎」の読後感は一言で言うと、吐き気を催した!
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「当然避けねばならなかった戦いに、なぜ日本は突き進んでいったのか?」とこの本の帯にあり、さらに、「政治機構や組織上の対立がもたらした恐るべき錯誤。語られることのなかった日本の失敗の真因を指摘する!」と書かれている。
自分自身は生まれ育んでくれたこの国が大好きだ!そんな中、最近とみに感じる事は第二次大戦迄の15~20年だけを捉えて、好戦的、侵略国家、勝つためには手段を選ばない汚い国家といまだに言い募る国がある事に困惑を感じる。そして国力の差が歴然としている米英とどうして戦ったのか。どうして徹底的に破壊されるまで戦ったのか。
いつも思う事である。
読み進めて見る。
一に戦争に向けての世論の形成である。江戸末期文久三年生まれの思想家徳富蘇峰が「国民新聞」なる物を創刊し40年に渡って社長を勤め明治、大正の世論を牽引し、その後倒産。今度は「大阪毎日新聞」に移り、第二次世界大戦終結間際までの60年に亘って政府の弱腰外交を批判し続け、知らず知らずの内に国民世論を米英との戦いも止むなしとしてしまった。
寄らしむべし、知らしむべからず!政治の舞台裏を知らない国民は、勇ましい話しに喰いつくものである。
国力を全く考えず、戦争止むなし。神風が吹くなどと自身を神格化してしまった。
恐るべしポピュリズムか?
他方、日露戦争までは親日だったアメリカはどうか。
ロシアの南下を恐れ軍拡をし、朝鮮、支那をその防波堤にしようと軍事介入して行く日本を見てアメリカは、日本を膨張主義と警戒し始め、自由を標榜しながら日本人移民のみの排斥を含め、様々な規制を日本に対して始める。更には太平洋を挟んだ日米と言う二つの国家はいずれ戦争に向かうのは必至とする書物迄出る始末。いずれも見えないお化けを怖がる様に、日・米両国は疑心暗鬼を深めて行く。

本書に依ると、明治の元勲達は、一部の人間が権力を握り独占するのを嫌い明治憲法には天皇主権を織り込んだ。その為議院内閣制を取りながら例えば、内閣は総理大臣と雖も他の閣僚と等しく一票の権限しか無く、閣僚の一人でも反対すれば閣内不一致で倒閣となってしまう。世界情勢を分析し指摘する機関を持たず夫々の省(特に陸軍省と海軍省)の利害ばかりが膨らみ、要求し主張し合い譲り合わない。そして見えざる綻びが随所に現れ、後戻り出来ない中所謂先の大戦に進んでしまった。
ヨーロッパの「騎士道」、日本の「武士道」。いずれも単なる忠誠心とは全く違い、大を思い、小を捨て、全ての言動に命を賭ける。そんな考えも明治の終焉と共に消え、自己愛、自己保身、忖度の度合いが大きくなり、それぞれはオカシイ、愚か、危険と感じながらも動きが止められなくなってしまった。

今の政治はどうであろう?
瑣末な揚げ足取りの応酬。言った言わないの責任論ばかり...
「日本」と言う「大」を見据えた議論はないものか?
日本は何処に向かって進んでいるのか?

世の中、 未消化物が多く、吐き気がする!

後、4日だ。

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