阪大だより
2日振りか、ホスピタルパークは⁉︎
あっ、イヤイヤ、決してさぼっていたわけでは無い!
さりとて、スイカが食べられ無くてイジケテいた訳じゃあ〜〜りませんよ⁈
雨だったので...
久しぶりに歩いて見ると、いつもの黄色い花が何気なく語りかけていた!
思えらく、此岸と彼岸について...と
欲や煩悩の世界と涅槃の世界などと、難しい事じゃ無く、手摺の左側と右側。会計で言う借方、貸方ていどの事だ。
以前田中角栄がロッキード事件で騒がれた時、角栄は今、刑務所の塀の上を歩いている。いつ向こう側に落ちても不思議じゃ無い、と言う具合か。
何をグダグタ言っているんだ俺は...
阪大病院に入院して改めて、拡張型心筋症と言う病気の恐ろしさを再認識させられたのですが、引っ越す前の9階循環器外科の病棟で更に痛感した。
929号室4人の内、3人が同じ病気。
一人は私...はとりあえず、
足元の58才造園業の方は、すでに人工心臓移植2度目で1度目の機器は感染症が起き、交換を余儀無くさせられたとの事。
隣りの方はカーテンを隔ててだけだから想像するに40代か?小学生くらいの子供が見舞いに来る。若そうだ。
その方は人工心臓を装着したばかりで、傷の痛みや違和感に耐えている様で、痛み止めの座薬を入れてもらっていた。数日後シャワーを浴びる許可が出た様で看護師から入浴の方法を教えられていた。
人工心臓を作動させる為のバッテリーや機器は肌身離さずと言う事で、入浴時も外せない。そこでその機器が濡れ無い様にビニール製のバッグに入れる時の注意や、体内に埋め込まれている人工心臓に繋がっているコードの入り口の消毒の仕方などである。
部屋を出て見れば、自分より若い人がその機器が納められているだろうショルダーバッグを斜めに肩に掛けていたり、リュックザックを背負っている人が多い。
我が身を振り返って見ると、そう言った姿になっていても不思議では無い。
それを治験とは言え、術後の大きな負担やリスクが軽減出来るハートシート移植の手術を受けられるなんて、なんと光栄な事か‼︎
そもそも、拡張型心筋症の治療法は心臓移植だけらしい。
日本では心臓提供のドナーが少なく五年以上待たなければならない。
病状進行を抑えきれない時は、人工心臓を装着して貰い、移植のチャンスを待つと言う流れである。
翻って自分は、幸か不幸か3/31で65才になったばかり。
何が幸か不幸か?
この心臓移植は64才迄!65才その日から移植は認められないそうだ⁉︎
4/10には帯広厚生病院の小山雅之医師からハートシート移植を受けるかどうか、意志の確認が有った。
4/25、下呂温泉に家内と逗留中、くだんの小山先生から緊急電話が入り、阪大の澤先生とコンタクトが取れ、患者を一先ず診察させてくれとの事。行く気が有れば、私の方から阪大の方予約して置きます、との事。
5/2、帯広厚生循環器科定期受診。小山先生から予約した旨の話し有り。
5/8、阪大病院受診。澤先生から私の病気は予断が許さない話しや、先端医療として新しい治療法確立の為厚生労働省へのデータは6人分必要。その6人目を探していました 。手術そのものは難しく無いが、貴方がデータ採取者として多くの検査を受けて貰う。術後も5年間は経過観察で大阪に通ってもらう、と言う条件とのこと。勿論異論などあろうはずが無い。そのまま入院。
5/19、最終の検査、カテーテル検査を受け、治験6人目として治療開始。
6/1、ハートシート培養用の筋芽細胞摘出手術。
6/8、抜糸。経過良好につき、来週中には一ヶ月間仮出所となる。
彼岸の人、此岸の人。
塀の向こうの人、こちら側の人。
悟りを開いた訳でも無く、心の内では他人を羨んだり、罵ったりする弱い自分がいる。後悔もする。
確実なのは今の私は幸せだ‼︎と言う事だ。
否、生まれて此の方、おしなべて幸せな人生だ‼︎
先程のホスピタルパークで、手摺の柵を越えて来た花を見て、思った。