いよいよ、それともようやく?
牛の飼料であるデントコーンの播種が始まりました。昨年は入院していたので2年ぶりの風景です。先ずは播種しないことには収穫もありえないので、今年もこの時期を迎えられたことに感謝です。
私のやっていた頃には大体5月の連休中にはコーンの播種は終了するように作業を進め、そして一日のんびり花見と称して妹家族も呼んでジンギスカンをやるのが恒例行事でした。一生懸命やっている息子にとっては不本意でしょうが、何でこんなに遅くなるんだ、と、ついつい比べてしまいます。近隣に一軒だけある酪農家"〇塚農場"さんといつも競うようにコーンの播種や牧草の収穫をしていたものでした。私が5月の1日~5日頃に播種し、〇塚さんは大体10日頃からの播種で今年もオレが早かった!なんて一人自己満足に浸っていました。しかし、植物の発芽の条件が"水・空気・温度"でその地温が有る程度上がってこないと勢い良く発芽してくれないんですね。結論から言うと10日も早く播種をしても発芽は数日しか違わないことが多かった様な気がします。ある年は作業が遅れ、畑を耕した翌日には播種をしましたそれから待つこと2週間経ってもまばらにしか発芽してきてはいないですか。どうした?種が腐った?分からず覆土を除けてみるとなんと大半の芽が下に向かって発芽し、途中から思い直したようにUの字状に地上に向かっているので発芽に時間を要していたようです。何故か?先ほどの発芽の三要素のうちの温度です。畑を耕起することを天地返しとも言うくらいで、反転した土の表面温度が充分に上がらないうちに播種をしたので芽が温かい方に向かって伸び始めたんですね。そのことがあって亡祖父種治が生前、「春畑を耕した後一週間は種を播かないほうがいいぞ・・・」って言っていたことを思い出しました。年寄りの言うことは良く聞いておくものだと痛感しました。
自分自身若い頃、自分では一生懸命作業を進めているつもりでも、事あるごとに父に「まだ〇〇しないのか」「いつまでそんなことやっているんだ!」と言われ続け、家を飛び出そうと思いつめる時代もありました。
もっと早く播種作業をやればいいのに「ようやくか」・・・・と思うか、「いよいよ」今年もこのシーズンを迎えられたかと感謝するか・・!心のありようです。