馬糞風
十勝の春の風物詩、馬糞風の到来です。
見てください。500m先の農家住宅なども土ぼこりで殆ど見えません。
空は快晴の青空。地平線付近の我が家の建物群が土ぼこりで霞んで見えます。防風林の立木も強風に煽られ右方向にたなびいています。
こんな中でも農作業は行われますが、口の中は"じゃりじゃり"。目は"シカシカ"。鼻の穴、耳の穴は真っ黒けになってしまいます。
明治から大正に掛けて開拓と称して樹木が伐採され、笹やスゲが刈り取られ、十勝が広大な農地に生まれ変わりました。それと共に火山灰土壌の土は春先の耕したままの無防備な状態では大風が吹くと土が飛ばされる現象が起きるようになりました。豆などを播種した後に大風が吹くと厚さ3~4㎝の覆土が全て吹き飛ばされ播種しなおしたり、その土が明渠を埋めてしまったり!と、例年のように春先の風害があったそうです。その先人達の知恵から十勝の風物詩"防風林"が生まれました。
昔は様々な物資の輸送手段の大半は馬車に頼っていました。その馬、出物、腫れ物ところ構わずで排気ガスならぬ馬糞があちこちに落ちていたそうです。その馬糞も春先の風で乾燥し風に飛ばされるくらいの強風、と言う意味で"馬糞風と言うんだ"と亡祖父が言っていました。