熊本版わ・か・さ・い・も?
数日前の早朝の事です。家内(店長)が住宅の掃除の最中、表玄関の扉を開けるとドアの取っ手のところに長方形の箱に入ったお菓子がぶらさがっていました。
いぶかしく思った家内が居間にいた母に「玄関先にこんなものが・・・。熊本名物なんて箱には書いてあるんだけど、置いて行く様な人に心当たりある?」と。
「玄関に置いて行くなんて昨夜夜中に来たのかな?」などと母と家内との不思議だねぇ?との会話が続いていました。そこに朝刊を読んでいた父が「それは俺に持ってきてくれたんだ!」
「じいちゃんに?誰がさ!」と母。
「この前散歩で会った時、熊本など九州に遊びに行ってくると言っていたからな」と父。
「いつものおばちゃんかい?!」と冷静さを装う母。
「大雪の後で今朝は散歩をサボったからなぁ!ついでに置いて行ってくれたんだろう?」
「・・・・・・!?」無言の母。
父はここ数年毎朝5時ころから散歩に出かけています。雪降りや吹雪の日はさすがに取り止めですが、天候が良ければ-20℃を下回る日も休む事は有りません。そんな父に母は「若くないんだから、もっと足元が明るくなってから行けば良いのに、何んでこんな暗いうちに出かけるのさ!」とのたまうのでした。
数年前、父がアイスバーンの道路上で仰向けに転び後頭部を強打した事がありました。「いやぁ、さっき仰向けに転んで後頭部を打ってしまって痛くて30分くらい動けなかった。えっ、病院?大丈夫、大丈夫!」なんて言うことがありました。そして一ヶ月後位から足元がおぼつかなくなり少し歩いては転ぶようになり、とうとう散歩の途中前転びを立て続けに2~3度起し顔面も強打するなど帰宅困難になったときに、散歩仲間の女性が肩を貸してくれて家迄父を届けてくれたと言う事件が発生しました。その女性は60代で早朝散歩には必ず会って挨拶を交わしたり立ち話をしたりという仲だそうです。
嫌がる父を無理やり病院へ連れて行って検査を受けると"硬膜下出血"で脳を徐々に圧迫し、運動機能に障害が出るように成ったみたいでした。即、入院し頭頂部の中心線を挟んで2ヶ所から出血液を抜き取りました。数日遅れて意識もなくなると生還できなかったようです。そして傷口の回復と共に運動機能も回復し現在も元気に散歩を楽しむようになりました。父は「牛飼いを始めて以来子牛の角を何百頭と焼いたり切り取ってきたから罰が当たって頭に2ヶ所孔を開けられたんだな!」と自虐ネタでした。
そんな前科者?の父ですから、「こんな暗いうちからの散歩なんて止めておきなさい!危ないんだから!年を考えなさい!!」とのたまう母に馬耳東風の父です。母の心配をよそに早朝散歩を続けている事。それは60代の女性と友達になったが故に忠告も聞かず早朝散歩を続けているらしい夫に悋気を起しているようです。
89歳の浮気心と86歳の悋気の応酬。人間生きている限り枯れ無いんですなぁ!?
その調子でまだまだ長生きして下され!ご両親様!